気象無線放送の歴史                                   HOMEへ戻る

2009.03.31 改

長短波帯で送信された、気象データ放送についてまとめてあります。気象台、測候所間の気象通信については
扱っていません。

気象無線関連資料へ

1.戦前

1914(T3)12月11日   中央気象台が発表する暴風警報を逓信省海岸無線電信局から海上船舶に伝達

1922(T11)年12月4日 海洋気象台(神戸)から気象実況および暴風警報の無線放送を開始。
              気象機関が気象専用無線を所有して初の放送

通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

気象実況、警報

JTJ

500

神戸

A1

1日3回

「神戸海洋気象台に施設された7Kwテレフンケン式瞬滅火花送信機によるものであった。此原始式送信機は
 今日の若い通信士諸君の多くは知らないかもしれない。波長600m(500Kc、昔はすべて波長(m)で示す)の
 一点張りで夜間はパラオまでも到達した。・・・此気象放送は測候所と内外船舶を対象としたもので、電文の
 内容は全国主要地点20箇所の気象実況と警報で後には概況を報じたが国際的放送の性格を持つので全文
 欧文とした。」(気象百年史(気象庁編) 資料編 気象無線の今昔 より)  

1925(T14)年2月10日 東京中央気象台で気象無線通報を開始

通報名称

呼出符号

波長

Kw

送信所

電波形式

気象実況、警報

JFRA

4000m

1.2

東京

A1

1日3回

 真空管発振方式。神戸海洋無線の到達しなかった東北北海道地方はこの施設によってカバーされた。

1930(S5年)7月15日 中央気象台沖縄支台(那覇)沖縄気象無線開局(波長4000m5Kw マルコーニ製)
 台風気象のため、南大東、石垣、奄美等を無線で結び、中央の気象、海上の気象のほか、中国仏印南方
 海上の船舶気象を編集して放送。              

1932(S7)年10月1日 東京−蔚山定期航空路の開設に伴い、定時気象通報乙式(航空気象通報式)を
 制定し、定期航空路沿線の測候所より乙式気象通報を収集し、航空路に関する実況気象報乙類警報、
 気象報乙類の無線電話による通報を開始。(日本初の航空気象通報)

1937 「気象機関ノ整備ニ関スル陸海軍次官ノ提案」により、気象無線関連の統合整備が始まった。
     気象協議会が発足し、
     1.全国の各測候所から札幌、東京、大阪、福岡の各管区気象台へ主として有線を以ってその観測結果を
       通報する。
     2.各管区気象台からは無線設備を以って一般気象、航空気象を放送する。
     3.大阪管区気象台からは海洋気象を放送する。
     4.各管区気象台からは専用線(有線不通時は無線)を以って、中央気象台へ気象を通報する。
     5.中央気象台はこれらの通報を取りまとめて極東気象、海洋気象その他を放送する。

という方針決議をして、整備することとなった。

 1941(S16)2月1日 逓信省小山送信所、依佐美送信所、海軍船橋送信所から気象無線放送が発射された。
        8月15日 札幌、大阪、福岡の管区気象放送開始。
 
1942(S17)12月1日 気象放送用送信所として臼井無線送信所が完成した。

1943年4月1日 気象無線施設は逓信省所管となり、中央気象台内に東京中央電信局気象台分室を設置し、
臼井、検見川、船橋、小山、依佐美の5送信所をコントロールしてCW(手送りから自動送信)による放送を行った。

1944(S19)10月15日における東京中央気象台放送の概要

種別

呼出符号

周波数(kHz)

送信所

内容の概要

甲類
(海軍)

トヨハタ

75(予備)
4460
8475
16280

・・・
依佐美
・・・
・・・

(第1部)陸上実況警報(海上実況を放送する場合は、
              陸上警報の末尾に続く)
(第2部)南方総合陸上実況、南方警報
(第3部)一般予報、長期予報、気象実況、雨量実況

乙類
(航空)

ヒサカタ

82
4095
7402.5
14805

・・・
臼井
臼井
臼井

(第1部)東部管区航空警報
      南方航空路実況、警報

タラチネ

4452.5
7610
13265

船橋
・・・
・・・

(第2部)南方航空路実況、警報
     内地総合航空実況

アカシヤ

5617.5
7595
13175

・・・
小山
・・・

(第3部)北西航空路実況、警報
(第4部)上層気象実況、高層総合実況
     高層警報

丙類
(船舶)

ウナバラ

91
7520
14950

臼井
小山
臼井

(船舶向け放送)
陸上実況、海上実況、警報
海上予報

戦時下において、長野県須坂市妻女山に鉄道省墜道技術部隊によって縦横20条ほどの碁盤目の地下洞窟を
掘削し、送信設備をその中に疎開させようと言う計画が進行したが、送信機を鉄道で送り出したところで
終戦となった。

 

2、終戦直後

 1945年8月20日気象管制が解除され、翌日よりNHKでは天気予報が流れた。
同年12月15日、GHQの電波管理下のなかで、国際気象放送業務の一部を分担することとなった。
放送の形式、内容は、国際気象通報方式を採用、名称も変更となった。

気象無線放送(1946.4)

局名

呼出符号

形式

kHz

Kw

送信所

東京中央気象台

JGA

JGA2

JGA3

A1

5102.5
7520
14605
91
4095
7402.5
14805

2
2
2
3
0.75
2
0.75

臼井
小山
臼井
臼井
臼井
小山
臼井

短い間にもGHQの方針により周波数削減、変更が行われた。

JGA後期(1946.7.15)

呼出符号

kHz

送信所

電波形式

内容

第一気象

JGA

5102.5
7520
7595
14605

臼井
小山
小山
臼井

A1

(甲実況気象報)
日本毎時陸上実況、日本海流実況、高層実況
(乙実況気象報)
シベリア毎時陸上実況、シベリア気流実況

第二気象

JGA2

91
4095
7402.5
14805

臼井

A1

(第1部)実況(陸、海、気流、高層)
     世界総合実況、概況、詳報
(第2部)実況、長期予報
(第3部)特殊気象

第三気象

JGA3

91
4095
7402.5
14805

臼井

A1

(船舶向け放送)

陸上実況、海上実況、概況

周波数はGHQにより削減されて第2、第3気象は周波数共有

1946年9月、GHQの指示により、呼出符号の変更があった。

呼出符号

kHz

送信所

内容

第一気象

JGE3
JGE2
JGE

5102.5
7520
14605

臼井
小山
臼井

(甲実況気象報)
日本及び太平洋地上実況、気流実況、高層実況
(乙実況気象報)
シベリア毎時陸上実況、シベリア気流実況

第二気象

JGF
JGF4
JGF2
JGF3

91
4095
7402.5
14805

臼井

(第1部)実況(陸、海、気流、高層)
(第2部)実況、長期予報
(第3部)特殊気象

第三気象

JGF
JGF4
JGF2
JGF3

91
4095
7402.5
14805

臼井

(船舶向け放送)

陸上実況&海上実況3回、概況4回

実況、警報、解析などの通報の冒頭符はMTJA,WUQTなどの米軍式となった。

1948年11月、インドで行われた国際気象機関第2地区会議の結果、ニューデリー、ハバロフスクとともに
東京がアジア地域気象放送基地のひとつに指定される。

3.電電公社送信所時代

戦前より引き続き、大阪、福岡、札幌の各管区気象台が収集、編集した通報を送信していた。
送信所のデータは「設計エンジニア必携  無線編  日本電信電話公社施設局編  1963」より
1950年 昭和25年12/7 電波管理委員会告示 240号より
通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

 大阪管区気象台

JMD
JMD2

74.2
4120

不明

深井

A1

福岡管区気象台

JME
JME2

4460
9375

不明

新宮?

A1


札幌管区気象台

JMF
JMF2

3365
5005

不明

札幌?

A1

1950年10月、電気通信省の設置に伴い、種々の変更があった.

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

備考

JMB(国際)

3360
5102.5
7515
14605
18190

1
2
2
2
2.5

臼井
臼井
小山
臼井
小山

A1

1951.12.1増波



JMC(国内、船舶)

91
4095
7402.5
14880

3
0.75
2
0.75

臼井

A1

0.75KWは1951.11.10 2Kwに

1952年 気象業務法が制定
1953年 KDDの発足により、小山送信所がKDD送信所となり、2波(7515, 18190kHz)が臼井に移管した。
1954年 航空無線気象通報(JMG)業務開始 翌年テレタイプ送信開始

通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

航空無線気象通報

JMG
JMG2
JMG3
JMG4

3670
7402.5
14880
19529

検見川

A1,F1

1958.12A1廃止

1956年7月 中央気象台が、気象庁に昇格。JMBは「国際無線気象通報」、JMCは「国内、船舶気象無線通報」
       と呼称。

1958年3月 無線FAXによる気象模写無線通報(JMH)開局。

通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

気象模写無線通報

JMH
JMH2
JMH3
JMH4

3847.5
7305
9970
13697.5

1
1
1
5

臼井

F1(call)、F4

1960.6 1Kw>5Kw

これまで利用者はCWを解読して天気図を作成していたのが、FAXによりスピードアップできた。
なお、初期のFAX放送は通報の前にF1電波で
CQ3回、DE1回、呼出符号3回、WX1回、QSWF4 1回 
のあとF4電波に切り替わっていた。(郵政省告示S39.9.14 第677号)

1959年4月8日 特別業務として東京ボルメット放送開局。

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

とうきょう

2980
5574
8905
13344

3

臼井

A3


1968.9 5519KHzに変更
1968.9 8903KHzに変更
1967.9 開局

名崎移転後、SSB化。

初期の通報は、羽田、小牧、三沢、板付、千歳、伊丹、那覇。1969に那覇が香港ボルメットに移り、
ソウルが編入。

1962年4月 WMO(国際気象機構)の勧告に基づく準大陸放送の実施に伴うJMB、JMC、JMGの
        整備が行われる。

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

航空無線
気象通報
JMG
JMG2
JMG3
JMG4
JMG5
JMG6



3670
5102.5
7402.5
14880
19529
22728



2
5
5
5
5
5

臼井

F1

国内無線
気象通報
JMB
JMB2
JMB3



3218
7515
14605



1
2
2

検見川

A1

臼井から検見川に移装
その際 5102,18190停波

国内、船舶
気象無線通報
JMC
JMC2
JMC3
JMC4
JMC5
JMC6



91.15
4298
6397
8526
12840
17029



3
2
2
2
2
2.5

臼井

A1






1963 夜間波となる

1963 昼間波となる

編注:2008.05.26 JMBの名称を「国際無線気象通報」から「国内無線気象通報」に訂正

1965年5月1日 国際北半球気象無線通報(JMI) 開局

北半球(地上、海上、高層)実況で、国外(主としてアジア地域)の気象官署が北半球天気図を作成する為の資料。

通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

 国際北半球
気象無線通報

JMI
JMI2
JMI3
JMI4
JMI4

4532.5
7376
13963
18375
18381

5

臼井

F1

10/25開局


10/18廃止
10/25開局

管区気象台気象通報の状況

・郵政省告示 1964 S39.9.14 第677号「無線局運用規則第140条の規定による気象通報を送信する
無線局の運用の件」より
・送信所のデータは「設計エンジニア必携  無線編  日本電信電話公社施設局編  1963(S38)」
通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

 大阪管区気象台

JMD
JMD2

74.2
4502

3
0.5

深井(堺市土塔町)

A1

福岡管区気象台

JME
JME2
JME3

4460
9375
2450

0.5
0.5
0.5

新宮
(福岡県粕屋郡新宮町)

A1


9:10-16:10
16:10−9:10

札幌管区気象台

JMF
JMF2

3357.5
5270

0.25
0.5

札幌(札幌市栄町)

A1

1973年4月1日 第2気象模写無線通報(JMJ)開局

1977年.11月1日 JMB 検見川無線送信所から名崎無線送信所に移装(検見川送信所第1次移装)

1977年当時の気象無線通報の概況(もっとも盛況であった時代)

通報名称

呼出符号

kHz

Kw

送信所

電波形式

国内無線気象通報

JMB
JMB2
JMB3 

3218
7515
14605

1
2
2

名崎

A1

1962.4 臼井 ->
検見川

船舶無線気象通報

JMC
JMC2
JMC3
JMC4
JMC5
JMC6

122.65
4298
6397
8526
12840
17029

3
2
2
2
2
2.5

臼井

A1

国際気象無線通報

JMG
JMG2
JMG3
JMG4
JMG5
JMG6

3670
5102.5
7402.5
14880
19529
22728

2
5
5
5
5
5

臼井

F1

気象模写第一

JMH
JMH2
JMH3
JMH4
JMH5
JMH6

3622.5
7305
9970
13597
18220
22770

5

臼井

F4

気象模写第二

JMJ
JMJ2
JMJ3
JMJ4
JMJ5

3365
5405
9438
14692.5
18130

5

臼井

F4

国際北半球
気象無線通報

JMI
JMI2
JMI3
JMI4

4532.5
7376
13963
18381

臼井

F1

東京ボルメット

とうきょう

2980
5519
8903
13344

3

臼井

A3


1979年2月
1981年9月
1986年3月31日
1986年7月
1994年10月1日
1999年2月1日
2001年3月1日


 JMC4波名崎無線送信所に移装
 ボルメット4波 名崎無線送信所に移装、翌年SSB化と周波数変更
 JMB、JMI 停波
 JMC長波 JMG、JMH、JMJ名崎送信所に移装と 臼井無線送信所の廃局 JMG 停波
 JMC 停波 GMDSSに移行
 JMJ 停波

名崎移装後の各局の周波数、運用については、
名崎無線送信所歴代無線局一覧 を参照されたい。
なお、現存しているものは、JMHと東京ボルメットのみである。

関連資料

JMH放送スケジュールhtml(気象庁サイトにリンク)
日本語版JMHスケジュールPDF(気象庁サイトにリンク)

気象放送サービスエリア図 JPEG177Kb臼井無線35年史より抜粋 禁転載)
ブラウザの「戻る」で帰ってきて下さい。

JMGのテストチャート pdf46Kb   実際に受信したデータ。(情報多謝)

JMG停波を伝える電文 pdf29Kb  実際に受信したデータ。(情報多謝)

JMGのコンテンツ 放送内容の具体的紹介

JMHについて気象庁がWMOに提出した文章。(英文) PDF46Kb  気象庁のJMHについての見解、利用者アンケートなど
上記文章の日本語要約

JMC受信音 (1992年受信) MP3 940KB VVV JMC/JMC2/JMC3・・・・・

  


*参考文献:
気象百年史、海と安全
(1998.10(社)日本海難防止協会)、日本無線史、臼井無線35年史、検見川無線史、JMA NEWS

*資料ご提供:
☆T-INOUE 様 ☆Y.S 様 ☆竜児 様

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