この情報は、2002 年1 月下旬に開かれた、WMO アジア地域協議(ニューデリー)で、
今後の運用や整備方針が話し合われた。この中で、気象庁はJMH の現状を報告している。

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<ドキュメントの要約および目的>
このドキュメントは、東京でJMHと命名されるHFFAX放送の状況に関する報告書、および船舶ユーザからの
海事気象情報のためのサービスについてのアンケートへの返答の要約を含んでいます。

<提案>
船舶ユーザにHFFAX放送についての情報と、停波の可能性に付いての情報供給を促進する。

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1.JMHの概要

JMHは、アジア地域の気象機関及び主に船舶に気象天気図を配信している。1958年より気象庁が
運営し、正確なスケジュールによって約50枚の天気図を毎日送信している。多くの天気図は気象庁の
NWPシステムで自動的に作成されている。気象庁は、NTT東日本の送信施設と無線送信サービスを
利用している。(送信状況はTable1を参照)

図表1(JMHの呼出符号、周波数、送信出力、電波形式の表)

2.JMH の現在の状態

予算状況の悪化で、NTT東日本の送信設備&送信サービスの莫大な賃借費用は、他の通信計画を
進める上で負担になっている。さらに最近、時代遅れのJMH システムを維持することはより困難で、
コストも高くついている。したがって、気象庁は、JMH 放送の停止の可能性を考慮しており、1997年
以来よりコスト効率が良く、より現代的な代案を探している状態である。

地上ユーザにとっては、インターネット、衛星マルチキャスト、GTS などによって図表を提供するような
代案がある。しかしながら、船舶の利用者には、どのような方法があるのか見つかっていない。
これが問題になっている。

3.海上気象サービスについての調査

2000 年に船舶ユーザーに海上気象サービスについてアンケート調査を行った。
18の質問事項で243の回答を得た。(2〜6の図表)
JMHについての質問結果は表5。
さらに、テーブル2は、JMHおよび関連する問題に関する様々なコメントの要約を示す。

調査によれば、ほとんどの船ユーザは、JMH 放送が航海上必要と考えている。他方で、
ウェブサーバおよび電子メールサービス(NOAA 海洋情報を参照する)へのインターネットアクセスの
ような、他手段の整備も必要。

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JMH放送システムの表

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GMDSSについて
図表2 GMDSSの受信状況
NAVTEXの場合 良好 75%  普通 12.8% 悪い 0%  無回答 11.5%
インマルサット  良好 71.2% 普通 20.2% 悪い 0%  無回答 8.6%

図表3 警報についての感想
理解しやすさ     良い67.1% 普通28.8% 悪い1% 無回答4%
正確性         良い65.4% 普通30.5% 悪い1% 無回答4%
発表のタイミング   良い59.3% 普通34.2% 悪い5% 無回答11%

図表4 警報以外についての気象情報
理解しやすさ       良い63.4% 普通31.3% 悪い0.5% 無回答6%
正確性          良い63.4% 普通30.9% 悪い0.5% 無回答6%
発表のタイミング    良い58%  普通34.2%  悪い2% 無回答7%
専門用語の適当性   良い56%  普通35.4%  悪い1.5% 無回答9%

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JMH FAX放送について

図表の明瞭性     良い48.1% 普通38.7% 悪い5.8% 無回答7.4%
分かり易いシンボル  良い58.8% 普通34.6% 悪い4.5% 無回答3.5%
図表の理解しやすさ  良い61.3% 普通33.3% 悪い3.5% 無回答3%
情報の正確さ      良い67.5% 普通27.6% 悪い3% 無回答3%
スケジュールの正確さ 良い74.1% 普通17.7% 悪い7% 無回答3%
有用性          良い90.9% 悪い1% 無回答8%

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JMHに対する船舶ユーザからのコメントの要約

利用価値高い

無料である
有用な情報(表面の分析および予測、高層大気、台風、表面波図表など)があり、選択肢が広い。
使う際にスケジュールが明確で信頼できる
無線からの天気図を得る唯一の手段
図表の形のほうが、文字情報だけよりも理解しやすい。
代案がでるまで、北西太平洋で航海するすべての船のために必要
質、正確さおよび分かりやすさではレベルが高い。
冬の厳しい天候、台風および熱帯低気圧情報は航海上の安全を考えると不可欠。

問題と要望

受信条件が悪くなると不明瞭になる。
テスト・パターンを地上図の前、2分に入れてほしい。
北太平洋をすべてカバーする表面の分析の地図エリアの拡張
全球規模の図は気象衛星を使用している。
南シナ海、インド洋の詳しい情報がほしい。
海流に関する詳しい情報がほしい。

関連する問題

最近、電子メールコミュニケーションは航海で利用可能です。
船報告ような、気象の目的のために電子メールを使用する可能性
インターネットによって天気表(表面の分析)、台風情報などをいつでも得ることを可能にする
ウェブサイトの要求