名崎無線送信所のアンテナ銘板表記についての考察Ⅱ。

参考文献:「設計エンジニア必携 無線編」1969
日本電信電話公社施設局 編  電気通信協会 出版
国立国会図書館請求番号 ND2−36

2.HFD、VFD、MC、HFBについて。

6679.00 VOLMET

G4-S1 HFD 23-39IT-39(172)

13282.00 VOLMET

G4-S2 VFD 35-42IT-39

8/12/16/17/22JJCモノコーン

G5-SP1-MC(IS-104)-77(303)

8467.00 JJC

G5-S1-HFB・32-38IT-39

これは、恐らく下記のような意味だろうと思っていたのですが、きちんとした資料が無かったので、
サイトには書かないでいました。
参考文献の「空中線形式の概要」に下記のように記載してありました。
実際、この資料を参考にしながら名崎のアンテナ写真を見て頂ければ、色々理解できるかと思います。

空中線名
略称
形式
概要

主として使用される回線

水平折返しタブレット型

HFD

水平に配置した半波長エレメント3線間の1線から給電エレメントの両端を他の線で接したもので、3線三角形を標準とする。
給電点インピーダンスが約600Ωであるため、引下しフェダーに無整合で接続が可能である。

同報、気象等放送回線の10MHz未満の周波数及び海岸局の4M、6M用。

空中線名
略称
形式
概要

主として使用される回線

垂直折返しタブレット型

VFD

垂直に配置した半波長エレメント3線間の1線から給電エレメントの両端を他の線で接したもので、3線三角形を標準とする。
給電点インピーダンスが約600Ωであるため、引下しフェダーに無整合で接続が可能である。

同報、気象等放送回線の10MHz以上の周波数

空中線名
略称
形式
概要

主として使用される回線

水平折返しビーム型
(1列2段)

HFB
(1x2
)

水平に配置した半波長の2線式折返しエレメントを1/2波長の間隔をもって積み重ね、その下部エレメントの中央から給電したもので、この点のインピーダンスが約600Ωであるため平行2線式フィダーに無整合で接続できる。

海岸局(中距離用)

空中線名
略称
形式
概要

主として使用される回線

水平折返しビーム型
(2列2段)

HFB
(2x2
)

水平折返しビーム型1列2段を1/2波長間隔に2列横に配置したもので、これを結ぶ平行2線式フィダーの中央部から給電するもので、この点のインピーダンスは約300Ωである。

海岸局(遠距離用)
および同報(JJC)

空中線名
略称
形式
概要

主として使用される回線

IS−103型
IS−104型
(逆円すい型)
MC

ケージエレメント部、給電部、接地部より構成される。ケージエレメントは48条、接地部は60条より成り、入力インピーダンスは50Ωで、広帯域性を有する。なお、使用周波数により2.3〜23MHzと3〜23MHzの2種類ある。

同報、気象、海岸局用の予備

IS−103

耐電力20Kw、利得平均5dB、VSWR2.0以下、偏波面垂直、強度:風速60m/sで破損異常を生じない 直径50m高さ25m

IS−104

耐電力20Kw、利得平均5dB、VSWR2.0以下、偏波面垂直、強度:風速60m/sで破損異常を生じない 直径38m高さ20m

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